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医科系看護系大学生および医療従事者19名(男性7名、女性12名、平均年齢21.4歳)に集団コラージュを実施した。手続きはPOMS記入、バウムテストをコラージュ実施前に行い、その後3~4人のグループに分かれて、「お年寄り」をテーマに集団コラージュを制作した。出来上がった作品の発表をした後、再びPOMS、バウムテストを実施し、またアンケートに記入をしてもらった。
POMSの結果から、集団コラージュ制作には「緊張-不安」「抑うつ-落込み」「怒り-敵意」「疲労」「混乱」が低下し、「活気」が高くなり、心身のストレス解消、メンタルヘルスへの好影響が示唆された。バウムテストから対人関係における積極性の変化、精神的生動の活性化、自己拡大、自己主張などが示唆された。またアンケートから、集団コラージュ製作者はイメージを媒介として自己理解、他者理解を行っていることが明らかになった。また、集団コラージュの製作過程は、社会心理学的見地から、導入期・制作期・定着期の三期に分かれ、制作期における背策段階は臨床心理学的見地から、イメージの放出・他者とのイメージの共有・自我の変容と拡大の三段階に分かれることが示された。
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コラージュ制作において、ポジティブ体験をしたものとそのような体験が弱いものとの間にどのような違いがあるかを検討した。両者のコラージュ制作前後の気分変容とコラージュ作品に見る。 大学生・大学院生・専門学校生30名(男女各15名、平均年齢21.70歳) 多面的感情状態尺度(短縮版)に回答を求め、その後、時間を指定せずにコラージュ制作をしてもらった。コラージュ制作後、再度多面的感情状態尺度(短縮版)、そしてコラージュ体験尺度に回答を求めた。コラージュ体験尺度は、予備調査と先行研究からの項目収集により、独自に作成された。 コラージュ体験の領域別に得点を集計し、中央値を求め、それよりも得点が高いものをH群、低いものをL群とした。コラージュ体験のありようにかかわらず、「抑うつ・不安」「驚愕」「驚愕」は有意に低下するが、「倦怠」と「集中」はコラージュ体験のありようによって変容に違いが見られた。また、「活動快」は全体的には変容せず、コラージュ体験のありようによる変容の違いが明確である。
大学生・大学院生男子26名を対象として、音楽聴取前後にPOMSを実施した。「活気」以外はすべて有意に低下した。 また、高橋の手元にあった女子大学生23名分のデータを用い、性差による影響の違いについて検討した。音楽が人間の気分に与える影響について、POMSを用いて測定した範囲内においては、変化の方向性は同じだが、男性よりも女性のほうが変化が大きいといえる。
境界性人格障害をはじめとする人格障害者は他者を感じることのできない寂しさを自分の万能感に満ちた空想で埋め、相手から期待される役割を意識して演じるという彼らの病的な対人関係をそのまま治療構造に取り込み、物語を作り演じるという治療集団として継続させることを可能にした。

入院中の人格障害と診断された者のべ12名による「ディレクターズ・グループ」によって29回のセッションが行われた。セッションは一人が即興で物語の始まりを作り、それを受け全員が物語を続けていき、最後の一人は結末を作る。最初の一人が物語にタイトルをつける。この人がディレクターとなり、芝居が演じられ、その後シェアリングが行われる。
ほとんどの参加者がほかの治療活動には安定して参加できてはいなかったが、ディレクターズ・グループに参加後のメンバーは入院中ほとんどグループを休むことは無く、退院間際には他に治療グループにも参加できるようになっていた。

その参加者の一人、回避性人格障害の23歳男性についての症例が紹介されている。自虐的で空虚な自己と、幼児的万能感に満ちた誇大的な自己とが同居しており、その矛盾を空想的な自己像で補っていると推察された。彼は入院中の12回、セッションに参加し、その間は欠席は無かった。
どんなに破壊的な表現であっても、グループの中では物語という構造に吸収される。
このグループで創造される物語は、破壊的、自虐的であっても、空想的な自己を安全な形で保証し守るものであるという安心感から、彼の空想は形を変えていった。


グループで作られる物語と参加者との関係として、作られる物語のキャラクターにメンバーがそれぞれが強く同一化するという関係が見られた。そのキャラクターをメンバー同士が支えることにより、中断を防ぐことができた。空想を創造性として保証することで、空想は空想として遊ぶことができるようになっていった。
入院中の患者41名(男性20名、女性21名)を対象に、絵本の読み聞かせを行い、その前後に担当ナースが患者の様子から判断して評定を行った。調査はロージァスの7種類のストランズのうちから「感情と個人的意味づけ(FPM)」「自己の伝達(SELF)」「関係のしかた(REL)」について七段階での評定を基準とした。また質的な資料を得るための項目も用意をした。

Wilcoxonの検定(サイン・ランク)とSpearmanの順位相関によって推計した結果、患者全体については3つのストランズの改善が有意に認められた。しかし、女性患者についてはFPMで有意相関は見られなかった。ナースのRELに有意な改善が見られたが、有意相関が認められなかった。
ナースが患者のベット・サイドで絵本を読み、患者はそれを目で追いながら話に耳を傾けている状況は、絵本の読み聞かせ以外のコミュニカティブな要素があり、患者-ナース間の日常会話以上のコミュニケーションが創造される。絵本はその小道具としての意味があると考えられる。
箱庭療法における認知-物語アプローチの導入

認知-物語アプローチを用いた箱庭療法を適用した母親との葛藤がある21歳女性の事例を報告した。

クライエントは箱庭に自分の世界を表現し、物語り、認知-物語アプローチに従って箱庭作品の主人公の感覚・感情・思考を意識化する過程を経て主人公が直面する心理的課題を考え、それを参考にして自分自身の心理的課題を認知していく。クライエントには各箱庭療法セッションごとに作品の主人公を選定し、その主人公が活躍する物語を語ってもらう。そして主人公にとっての課題を設定し、それに照らしたクライエント自身の心理的課題を考えていく。クライエントが自らの心理的課題を意識化することにより現実に心理的課題が促進されると考えられる。
とくに知的に高い成人や心理療法の訓練生などでは、効果が認められ易いように思われる。



ダンス/ムーブメント・セラピーの効果検討

質問紙及び人物描画法を用いて、ダンス/ムーブメント・セラピー(D/MT)セッション参加者70名(男性6名、女性64名。平均年齢22.0歳)の自己に対する意識と身体イメージの変化を質問紙及び人物描画法によって効果を検討した。
約45分間の集団D/MTセッションの前後に自己認知尺度、身体像尺度の質問紙と人物描画法を行なった。
また精神障害と診断された26名を対象とした調査も行なった。
被験者はD/MT体験を通じ、自己の安定、充実感、自己理解、他者との親密化、主体性が促進された感じ、身体はより力強く活動的に好ましいものとしてとらえるようになった。また、診断群(精神障害)と非診断群との比較から、非診断群は診断群と比べ身体像評定の好転度が有意に大きいことが明らかとなった。
古賀は気分状態と同質の特徴を持つ音楽を聴取した場合と、気分状態と異質の特徴を持つ音楽を聴取した場合に生じる気分変化について検討した。
教育学専攻の大学生40名(男性9名、女性31名)を対象とした。被験者をポジティブな気分に誘導するP群と、ネガティブな気分に誘導するN群に分けた。気分誘導はVelten法を用いた。被験者に気分誘導後の自分の気分と最も合う音楽、もしくは最も合わない音楽を選択させた。そのため、最も合う音楽を選択した群をP同質群、N同質群、気分と最も合わない音楽を選択した群をP異質群、N異質群とした。

気分誘導の前後に気分について回答させ、その後4曲の音楽呈示を1分間ずつ行い、被験者に1曲選択させ、その曲を最後まで聴取させた。音楽聴取後に気分と同質感について回答させた。

質問紙は気分については多面的感情状態尺度・短縮版(寺崎・古賀・岸本(1991))を用い、同質感については、音楽に対する同質感、共感・慰め、発散感の質問項目(伊藤・岩永(1999))、聴取音楽に対し感情移入がなされた場合に被験者に生じた気分についての言語報告(船橋(1981))、音楽聴取に関する項目(石川・岡本・戸口・山中・山本(1985)、岩城・田中・堀(1999)、Lehmann(1977))を用いた。
気分について主因子法により因子分析を行い「不安・抑うつ・倦怠」「活動的快」「敵意」「非活動的快」「親和」の5因子が抽出された。次に気分誘導後の得点について、被験者間の2水準で1要因分散分析を行なった。また同質感についても因子分析を行い、「爽快感」「リラックス感」「没入感」の3因子が抽出された。各因子について、気分誘導、聴取音楽のそれぞれを被験者間要因とする2要因分散分析を行なった。
その結果ポジティブな気分状態の被験者が同質の音楽を聴取するとポジティブな気分が増大した。また、気分はポジティブ気分状態の被験者では親和以外の全てにおいて聴取音楽の効果が有意であった。しかしネガティブ気分状態の被験者で聴取音楽の主効果が有意であったのは非活動的快のみであった。また、同質感はポジティブ気分状態の被験者では全てにおいて聴取音楽の主効果が有意であったが、ネガティブ気分状態の被験者で聴取音楽の主効果が有意であったのは爽快感とリラックス感のみだった。
ポジティブ気分状態ではネガティブ気分状態よりも聴取音楽の影響が大きいと考えられる。
永井は青年期の発達課題と箱庭表現の特徴と箱庭制作前後の気分変化の二つのテーマについて、検討している。箱庭制作前後の気分変化についてでは、大学生65名(男25名、女40名)に箱庭制作を依頼し、その前後に質問紙を施行した。
質問紙は60の修飾語に5件法で評定した。
まず、気分を表す修飾語の因子分析を行なった。「不満足感」「活動性」「集中力のなさ」「ゆとり」の4つと決定した。それぞれの因子の前後の因子得点に差について対応のあるt検定を行なった。その結果不満足は減少し、活動性と集中力が上昇していることが解った。箱庭制作には制作者の気分をポジティブな方向に変化させるようなカタルシス効果があることが解る。ゆとりについて有意な変化が見られなかったのは、箱庭制作では自分の内面に集中するために周囲に対するゆとりには変化が見られないと考えられる。

 12色程度の水彩絵の具、同じく12色程度のクレヨン、B5あるいはA4サイズの画用紙
色彩ブロットを23歳の自身の問題について語ることが難しい不安神経症の女性に適用した。描写が無理することなく物語を語れるように工夫し、色彩を選定するという作業から始まり、ブロットを作り、扱いやすい物へと調整し、扱いやすくなったブロットに投影・描画し、場面を構成する。そうして構成された場面に、物語を創作する。このプロセスを経ることで、一人称として語れるようになった。

23歳の男性で、精神分裂病と診断され、自殺企図もある。退院後も引きこもり傾向が強く、デイケア参加が困難であった。絵画療法とコラージュ療法はデイケア開始一ヶ月後から開始され、当初は絵画療法で描画ができなかった。これは自己イメージを安定して保持できない状態と考え、デイケアを通し、自己イメージがつくられることを期待して、描画活動を続ける。また、作品完成後に治療者と共に『言葉による題名作り』を行った。次第に、自己像は明確になり、女性像が抽象的なものから現実的なものとなった。また、このケースでは作品で表現されたものが、後の現実で実際に展開しており、現実場面に出る前に安全な世界でリハーサルを行っていると言える。
 『言葉による題名作り』の作業は、作品に本人にとっての意味を持たせ、また、イメージから現実へ移行期間に両者の架け橋としての役割を果たした。

平均年齢24.4歳の男女22名(男性9名、女性13名)にブロックを用いた表現を行ってもらい、その影響を検討した。使用したブロックは、レゴブロックであり、その制作前後に日本版POMSを行ってもらった。
ブロック制作における、性別および経験の有無による気分変容の違いを検討した結果、「活気」と「緊張-不安」において有意な差が見られた。「活気」に関しては、男性においては、経験に関係なく一定の効果が見られたが、女性においては、経験の無い群においてはその効果が認められなかった。また、「緊張-不安」に関しては、女性においては経験に関係なく一定の効果が認められたが、経験の無い男性においてはその効果が認められなかった。男性においては、過去にブロックに触れた経験が無くとも、工作・組立てに親和性が高いものと予測されるため、このような結果が認められたのではないかと考えられ、また女性が男性よりも制作前に「緊張-不安」の得点が有意に高くもなったのではないか。
また、自由記述の結果から、経験の無い群においてはネガティブな感想が現れやすいことが示された。

4年生大学の1年生61名を対象にマガジンピクチャー法、集団個人法によるコラージュ制作を行わせ、グループエンカウンターでのコラージュ制作利用の特徴等について検討を行った。
コラージュ制作の前後と、シェアリング後にPOMSにより感情・気分の評価を行う。また、コラージュ制作後、シェアリング後に振り返りのための質問紙を行った。
エンカウンター全体を通しての気分変容では、緊張・不安の緩和、敵意の軽減、混乱状態が解消されることが明らかとなった。また、コラージュ自体にそのような効果があり、シェアリングはポジティブ気分の変容を維持させ定着させる役割を持つといえることがわかった。また、振り返りの結果、グループダイナミクスの影響によってコラージュの利用が気分変容に関して意味のある役割を果たすことが示唆された。また、コラージュは媒体としてグループの中で場(文化)をも提供してえいる可能性も示唆された。

この論文で、岸本はdouble MSSM(d-MSSM)というものを紹介している。これは、岸本の創案である。
岸本は治療者と患者が同時に一枚ずつ紙を持ち、同時にグルグル描きを行い、それを交換して同時に投影する、という方法を臨床に取り入れd-MSSMとめいめいした。
診察の中で一枚法で行うと、テストとして受け取られる可能性があるが、2枚でやれば対等に紙面と向き合えると感じた。また、グルグル描きをしてから投影が見つかるまでの時間に差があるため、非言語的な駆け引きがなされる。

2枚のA4のケント紙(あるいは画用紙)、サインペン、色鉛筆
それぞれが自分の画用紙に枠付けを行い、それぞれ5つに区分けする。
ひとコマ選び、物語メモ用のコマを残しておく。そして、グルグル描きを行う。その後、互いに紙を交換する。
これを行うと、物語メモ用のコマが残った状態で、自分が枠付けした画用紙が手元に残ることとなる。
所要時間約30分

事例
神経性食欲不振の14歳女性。
両親・弟の四人が俗。母は病気で入院中。父は事務所経営。
初回面接
祖母とともに来室、本人はほとんど無言で祖母が答える。祖母に席をはずしてもらうも、ほとんど発語無し。
バウムテストと風景構成法を行う。絵を描くことはそれほど嫌いではなさそうなので、描画を適用していくことにする。
二回目の面接からd-MSSMに誘う。
初診から二ヶ月後の第九回面接:d-MSSMでは、2番目の投影が二人とも人だった、またストーリーも散歩という共通のテーマで一致した。
この回はひとつの転換点ともいえる。髪を切ったのもここでなんらかの変化が生じていることをうかがわせる。箱庭や描画では転回点で曼荼羅表現が見られることが指摘されているが、この偶然の一致も、それに相応するような布置のひとつと見ることができるかもしれない。


5分割の意味
筆者の面接時間が30分という枠組みで設定されているため。
自分が印をつけたところに物語を書けるため。
割り切れない数字であるため、分割の仕方に個性が出る。心的なエネルギーを注ぐ必要があり、このようなちょっとしたプレッシャーが実は治療へのモメントとなるのではないかと考えられる。

見立て
①分割の仕方 ②グルグル描きの仕方 ③投影ができるかどうか ④物語がつくれるかどうか ⑤投影されたアイテムや物語の内容
番号が若いところで止まるほど病態水準が深い


グルグル描きをしてから投影が見つかるまでの時間に差があることで、その差を埋めるために、以前に行ったスクリブルのネタで乗り切るという選択肢ができる。これは多少のプレッシャーは手持ちの駒で切り抜けることができるような布石となり得る。


治療者側の物語。
相手の様子を観察するというよりは、それぞれが自分の課題に取り組んで、できたものを交換する形になるので、実施中は、相手のことは気配で察知しながら自分の課題に取り組むことになる。視線を一身に浴びないことにより、侵襲を受けない形ですすめられる。
また、治療者も物語をつくることで、治療者も守られるのではないか。

投影
描画というと、描き手の内的な世界を表現したものと捉えられることが多いし、そのような側面も確かにあるが、その反対方向のベクトル、つまり、外の世界からの働きかけに応じて形を与えるという側面もあったのではないか。



(事例) MSSM20060827.jpg
ある日のこと、背中に4つの星をつけたてんとう虫は、遊びに行くことにしました。空をぶんぶん飛んでいると、青と赤で色づけられた船が見えてきました。高波で船はぐわんぐわんとゆれています。船の中では人がぐったりしていました。てんとう虫は一休みもかねて、その人間に近づきました。手元には食べられ無かったのか、パンが残されていました。てんとう虫はそのパンにとまりました。いつもならはらいおとされるところですが、その人間はぐったりして、てんとう虫をおいはらいません。その人間はこうつぶやきました。「どうせできそこないだ」それは船乗りとしてでしょうか。それとも何か他に意味があったのでしょうか。てんとう虫はその言葉にとてもショックをうけました。てんとう虫たちのあこがれななほしてんとうに、あと3つ足りないてんとう虫は、いつもそんな気持ちだったのです。悲しくなっててんとう虫は、その場を飛びさりました。ぶんぶん飛んでいくと今度は入江が見えてきました。そこからは、豆の木がぐんぐんのびていました。つたをつたってのぼっていくと、となりに生えた木から大きな音が聞こえてきました。それはハリネズミでした。ハリネズミは大きな音を出して身を守っているのです。ハリネズミの音を聞いていやになったてんとう虫は、帰ることにしました。おみやげの豆を持って。家に帰ったてんとう虫は「いろんなことを見たよ」と家族に話しました。その日のご飯には、てんとう虫のおみやげの豆をつかったおかずが置いてありました。(631字)


MSSM法は“Mutual Scribble Story Making”の略で“相互ぐるぐる描き・物語統合法”のことです。

スクイッグル法、枠付け法に端を発します。

八つ切りまたはA4の画用紙に、コマ割りをし、ぐるぐる描き(スクイグル)をして、それが何に見えるか(投影)をセラピスト、クライエント相互に行い、最後に投影されたイメージをすべて含んだ物語を作るという方法です。
スクイッグルを数回行った後に、コラージュを相互に行うときには、with Collageとなり、MSSM+C法といいます。

具体的にはこんな
材料:八つ切り程度の画用紙、黒サインペン、12~24色程度のクレヨン、(ハサミ、糊、雑誌)

 Th:枠付け
→Cl:コマ割り(6~8コマ)
→じゃんけん
→勝:1コマにぐるぐると好きなように線を描く
→負:その線に何かを投影し、クレヨンで描く(見えたものをThがメモする)
→交代×α
(→3,4コマ目でスクイッグルを行った後、コラージュを交互に行う)
→1コマは空白にしておき、そこにClが作った物語をThがメモする。

※この事例では、別紙に物語を制作した。

絵の上手下手にかかわらず実施することができ、最後に物語を作ることで、無意識の投影を意識の糸でつなぎとめることができ安全性が高い。
関係をなかなかもてないClに効果的。
ニュータイプ(笑)
「この方法は、一たん無意識界からとり出した(投影された)諸々の内容物を、意識の糸で縫い合わせることを目論んでい」る

症例2>小学校5年生男子、チック。治療は、投薬と描画療法が適量用いられる。この患者の場合は、自発的にもってくる自由画と、治療場面で行われるMSSMとを中心に治療。チック症状が前景に出ているころの作品では、「サーカス」は中止になってしまうが、症状が背景に退いたころの作品になると、「眼鏡をかけたお父さん」に甘えている。イメージ次元で表現されたことが、必ずしもすぐに現実水準で成就されるとは限らないが、変化の過程は読み取れる。

「治療」次元では美的芸術性を追求するよりも、内的イメージを自由に表現できるように配慮されている。

山中(2002)『たましいと癒し』収録
事例1 接枝性分裂病者の、とても小説とは呼べない「小説」
事例2 境界例の青年B君の小説  ペダンチック

読んだ小説を話題にするクライエント「窓」
事例3 パールバック『結婚入門』、曾野綾子『誰のために愛するか』、川上源太郎『親の顔がみたい』
 ちょうど彼女のそのときに最も必要なアドバイスを小説の中に見つけては持ってくるのであった。
事例4 『No Language but a Cry』、モーリャック『夜の終わり』
 大変に優れた言語能力がありながら、ほとんど言葉で自分を語れない、というディレンマに苦しんでいたが、小説の話をするという形で、生々しすぎる内的世界と激しすぎる外的世界いずれにも距離を置けたと思われる。

前者は、内界の直接的表現として、後者は、投影の機制を用いたかたちでの間接的な内界表現として、いずれも、立派に心理療法に組み込まれうるものであることは言をまたない。
文字を媒介とするこうした小説表現をとるものの場合、なかなか、その底流にある、こころの流れを読み取るのは難しく、一種の訓練が必要ではあるものの、そうした方法に慣れれば、これはこれで優れた心理療法の手段となりうる、貴重なものを幾多内包しており、捨てがたいのである。

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