入院中の患者41名(男性20名、女性21名)を対象に、絵本の読み聞かせを行い、その前後に担当ナースが患者の様子から判断して評定を行った。調査はロージァスの7種類のストランズのうちから「感情と個人的意味づけ(FPM)」「自己の伝達(SELF)」「関係のしかた(REL)」について七段階での評定を基準とした。また質的な資料を得るための項目も用意をした。
Wilcoxonの検定(サイン・ランク)とSpearmanの順位相関によって推計した結果、患者全体については3つのストランズの改善が有意に認められた。しかし、女性患者についてはFPMで有意相関は見られなかった。ナースのRELに有意な改善が見られたが、有意相関が認められなかった。
ナースが患者のベット・サイドで絵本を読み、患者はそれを目で追いながら話に耳を傾けている状況は、絵本の読み聞かせ以外のコミュニカティブな要素があり、患者-ナース間の日常会話以上のコミュニケーションが創造される。絵本はその小道具としての意味があると考えられる。
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