箱庭療法における認知-物語アプローチの導入
認知-物語アプローチを用いた箱庭療法を適用した母親との葛藤がある21歳女性の事例を報告した。
クライエントは箱庭に自分の世界を表現し、物語り、認知-物語アプローチに従って箱庭作品の主人公の感覚・感情・思考を意識化する過程を経て主人公が直面する心理的課題を考え、それを参考にして自分自身の心理的課題を認知していく。クライエントには各箱庭療法セッションごとに作品の主人公を選定し、その主人公が活躍する物語を語ってもらう。そして主人公にとっての課題を設定し、それに照らしたクライエント自身の心理的課題を考えていく。クライエントが自らの心理的課題を意識化することにより現実に心理的課題が促進されると考えられる。
とくに知的に高い成人や心理療法の訓練生などでは、効果が認められ易いように思われる。
ダンス/ムーブメント・セラピーの効果検討
質問紙及び人物描画法を用いて、ダンス/ムーブメント・セラピー(D/MT)セッション参加者70名(男性6名、女性64名。平均年齢22.0歳)の自己に対する意識と身体イメージの変化を質問紙及び人物描画法によって効果を検討した。
約45分間の集団D/MTセッションの前後に自己認知尺度、身体像尺度の質問紙と人物描画法を行なった。
また精神障害と診断された26名を対象とした調査も行なった。
被験者はD/MT体験を通じ、自己の安定、充実感、自己理解、他者との親密化、主体性が促進された感じ、身体はより力強く活動的に好ましいものとしてとらえるようになった。また、診断群(精神障害)と非診断群との比較から、非診断群は診断群と比べ身体像評定の好転度が有意に大きいことが明らかとなった。
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