医科系看護系大学生および医療従事者19名(男性7名、女性12名、平均年齢21.4歳)に集団コラージュを実施した。手続きはPOMS記入、バウムテストをコラージュ実施前に行い、その後3~4人のグループに分かれて、「お年寄り」をテーマに集団コラージュを制作した。出来上がった作品の発表をした後、再びPOMS、バウムテストを実施し、またアンケートに記入をしてもらった。
POMSの結果から、集団コラージュ制作には「緊張-不安」「抑うつ-落込み」「怒り-敵意」「疲労」「混乱」が低下し、「活気」が高くなり、心身のストレス解消、メンタルヘルスへの好影響が示唆された。バウムテストから対人関係における積極性の変化、精神的生動の活性化、自己拡大、自己主張などが示唆された。またアンケートから、集団コラージュ製作者はイメージを媒介として自己理解、他者理解を行っていることが明らかになった。また、集団コラージュの製作過程は、社会心理学的見地から、導入期・制作期・定着期の三期に分かれ、制作期における背策段階は臨床心理学的見地から、イメージの放出・他者とのイメージの共有・自我の変容と拡大の三段階に分かれることが示された。
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