藤田宗和 2002 情報分析枠(FIA)による解釈 臨床心理学 2(5) pp.650-655 金剛出版 |
荻原(2001)は物語言説のうちにみられる語り手と聞き手、読み手の役割に注目し、物語そのものを送り手と受け手によって分節化されたコミュニケーションとしてとらえ、物語のうちに存在するいくつかのレベル、「機能」、「行為」、「物語行為」をとりあげ、論じ、その意味を物語の指標分析の観点からとらえ、物語言説の構造分析を行った。この論文では、マレサイト族の「せき止めた水」、旧約聖書の創世記XXX23-33を物語の指標分析の説話例として用いている。
物語の構造分析は(1)物語にあらわれる登場人物達の心理的、伝記的、性格的、社会的属性の分類。(2)登場人物達の機能の目録作成と分類。(3)行為の目録作成と分類、というおよそ三種の分析対象を含んでいると述べている。
「コーパス」とは「言語分析のための言語資料の集積」であるが、最近はコンピュータにより分析できる「コンピュータコーパス」「電子コーパス」の意味に用いられるのが普通である。
本論では、英語解析ソフトを用いて「特殊目的コーパス」(大統領や首相の演説、英字新聞のスポーツ記事)と「汎用コーパス」(BNC)について、語の意味の比較分析を行う。私たちが実際に演説を聞いたり、記事を読んだりして受ける印象や解釈と、言語解析ソフトによる解析結果は同じ傾向なのかを調べる。
使用ソフトWordSmith Tools ver.3.0での語彙分析。
使用テキスト
2002年のブッシュ演説と同時期の小泉元首相演説
ブッシュ演説のキーワードourとterror(我々とテロ)
小泉演説のキーワードmeasures(対策)
マスコミでもしばしば指摘される我々(善)対敵(悪)の二元論を数字で証明できる。
対策を講じるといった、具体性に欠ける日本の演説が垣間見れる。
このように、語の分析ソフトは、私たちの直感を裏付ける。
次に、Wmatrixで、意味分析。
ブッシュ演説においては、「代名詞」「地名」を除き、アメリカが紛争にかかわっていることを示唆する意味群が抽出された。
小泉演説においては、「改革」「変化」などおなじみの小泉流を正しく捕らえている。
コーパス解析ソフトによる語や意味の解析結果の多くは、われわれが実際に聞いたり読んだりして受ける印象と相反しない。
スポーツ記事(Daily Yomiuriのスポーツ記事)と比較対象としてBNC(British National Corpus)を用いて、Wmatrixで解析を行う。
BNCと比較すると、当然のことながら意味う分析で「スポーツ」が抽出され、また試合結果に関する勝ち負けを表す語が多いということも、スポーツ記事の特徴として見られた。また、ゴルフ記事での語彙分析の結果、her、sheという語が多く、女性が他のスポーツ記事に比較し多く報じられていることがわかった。
直感を証明することに意義があり、また普通に読んでいるときには意識しない特徴的な語や意味分野に気づくことは、時として大きな意味を持つこととなる。
老松ら(2003)の事例の、14歳男子についての論説。
モチベーションがやや低く他の方法にのってこない患者でも、比較的容易に導入できる。
MSSMの治癒力のありか
①転移・逆転移を意識化しやすくする。あるいはそれらをより治療的な方向に転ずる可能性もある。
②過度の対抗に対する守りを備えているので、適応範囲が広い。
③特殊な意識状態(夢など)を要さずに、能動的創造(active imagination;Jung,C.G)に類した、内なる治療者イメージとの対話を可能とする。
④施行の手続きそのものが我が国の神話の時間の様態のアナロジーとなり得るので、日本人の想像的自我(whenと問う想像の原理;Hillman,J)をより自由かつ十分に機能させるのに適している。
昨日は、院生の研究のために、ロールシャッハ・テストの被験者となってきた。
その院生さんはお知り合いだったので、比較的リラックスして受けられた。
そして、MMPIもしました。
ロ・テストとMMPIという2大心理テストを一日で受けた。
自身は、表現療法に興味があるので、TATのほうが興味あるのだけれど。
TATといえば、ほこり高きテスト。
でも、対人関係は如実に現れていた気がします…。