TAT反応についての、刺激認知的側面、物語構成的側面、物語り内容的側面にわたる、HenryやTomkinsの考えなどを参考とした新しい分析・解釈試案を作成し、非行少年からとりだした三つの性格類型との対応、精神分裂病患者にみられる記述反応についての検討など、探索的研究を試みた。
刺激認知的側面については、図版ごとの絵の部分(D,d,Dd)の認知・省略・歪曲など、物語構成的側面については、明細化・場面構成・心理的内容附与・時間的広がりなど、物語内容的側面については、領域・心理的機能の水準・心理的方向性などが吟味され、パラノイド的、精神衰弱敵、精神的未分化などの特徴が取り出されたし、記述反応のありかたが分裂病症状群と対応を示すことがわかった。(抄録)
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