老松ら(2003)の事例の、14歳男子についての論説。
モチベーションがやや低く他の方法にのってこない患者でも、比較的容易に導入できる。
MSSMの治癒力のありか
①転移・逆転移を意識化しやすくする。あるいはそれらをより治療的な方向に転ずる可能性もある。
②過度の対抗に対する守りを備えているので、適応範囲が広い。
③特殊な意識状態(夢など)を要さずに、能動的創造(active imagination;Jung,C.G)に類した、内なる治療者イメージとの対話を可能とする。
④施行の手続きそのものが我が国の神話の時間の様態のアナロジーとなり得るので、日本人の想像的自我(whenと問う想像の原理;Hillman,J)をより自由かつ十分に機能させるのに適している。