精神病理を理解する手がかりとなる本・漫画の紹介をしています。
第一章
アダルトチルドレン(ACとはなにか、現代の日本の状況、現実逃避)
第二章
アイデンティティ(差別、戦争、ジェンダー、ハンディ、仕事、多重人格)
第三章
依存(アルコール、ドラッグ、摂食障害、その他の依存)
第四章
共依存(夫婦・カップル間の共依存、子どもとの共依存、その他の共依存、フェミニズム)
第五章
虐待(虐待、性的虐待、異常犯罪、離婚、学校)
第六章
癒し(エイジズム、死、子育て、ストレンジャー、癒し)
この本に載っている本を読むことで理解するということを目的として作られている本ですが、この本を読むこと自体で勉強になります。
一方で著者に偏りがあると感じました。特に、漫画。
昔からの作品や、誰でも知っているような作者だけって感じがします。
この中で漫画の絵について古いですが…みたいなことを言うのであれば、最近の作品からも出して欲しかったです。
なぜかと言うと、絵が新しいこともそうですが、時代に合った読みやすい作品が出てきているということです。
メジャーどころの作品について、精神病理という視点から見る機会としてはいいのですが、漫画界ででしか評価されていない作品に光を当てることも必要ではないかと感じます。
有名なものはきっちりチェックしてるんだなーとは感じました。
内田春菊とか、エヴァとか。
今であれば、この本にはNANAとか入っているのではないでしょうか。ガチで病理ですし。
私としては、彼女の作品は、天ないが一番好きですが、一般の人にもわかる作品というとNANAでしょう。
この本でぜひ紹介して欲しかったのは、総領冬実のMARSです。あれは、漫画版永遠の仔という表現もされています。(ちなみに、永遠の仔はこの本で紹介されています)