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老松、三浦、工藤(2003)は、MSSM-C法の解説のほか、三つの事例を提示している。
事例を指して、MSSM-C法は、言語的接近が困難なクライエント、治療関係の確立が容易でないクライエントに対しても安全かつ効果的に心理療法を進めていけると述べている。
まず一つ目は、身体表現性障害(左項部痛)の14歳男子中学生の事例である。5歳時よりネフローゼの既往があり、それによってさまざまな制限のため「子ども」を生き足りなかった。項部痛によって背後(無意識的なもの)を見ることができないというのは、その理不尽さへのみずからの怒りを直視できなかったためと考察されしている。MSSM法を導入することにより、自身の深い感情を上手く捉えられないクライエントが、それを表現してアクティブに対峙できるMSSM法という手段を提供することにより、広い意味での心身症的な症状が改善されたと述べている。
二つ目の事例は、自己臭恐怖の16歳女子高生の事例である。クライエントは治療には消極的だった。無意識からもれ出てきたものを意識の糸で縫い合わせるMSSM法の作業により、否定的なものが捉えられ、その肯定的な面が意識化された。また、そこにはクライエントの治療への信/不信の変化なども描き出されたと述べている。
三つ目の事例は、中学生時に自己視線恐怖が出現し、高校二年時に離人症状から厳格妄想状態となり、精神科を受診。いったん収まるが、その後も何度か抑うつ感や離人感が強まり、自殺企図も。精神科を転々としてきており、治療関係が長続きしない32歳男性である。夢分析とMSSM法を行う。クライエントは思春期以降、自身の醜い部分を受け入れられずに苦闘してきたが、夢分析とMSSM法によって自分のプロフィールを書き出した。クライエントは一過性の精神病状態に陥ったが、深層の姿の定かではないものは、最後にMSSM法の意識の糸でしっかりつなぎとめられた。そして、創造的なアイデンティティの一部となり、治療は終結した。
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