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TAT;Thematic Apperception Test:主題統覚検査
 
 マレーによって作成された投映法性格検査。人物などが登場する日常生活場面などが描かれた20枚の図版を見せ、その登場人物の感情・考え、そして現在・過去・未来を含めた物語を語らせ、その内容から被検者のパーソナリティ、特に欲求の内容やその対処などを中心に見ていく。マレーによって作成されたものをハーバード版と呼び、絵の内容を日本の文化に合わせて改訂した日本語版(精研式・早稲田版・名大版)がある。ずいぶん前に作成されたものであり、絵の内容が昭和時代のものであるため現代の生活を反映したものとは言いがたい。実施に時間がかかり、解釈も難しいことからTAT自体あまり実施されることが無いが、実施する場合にはハーバード版を好んで使う人が多いようである。
 マレーのTATを、7~10歳程度の幼児・児童用にベラックが改訂したものCAT;Children's Apperception Test:児童用絵画統覚検査とよぶ。図版には人ではなく、擬人化された動物が描かれていて、場面も児童の生活に即したものとなっている。日本版もあるが、どちらも臨床場面で用いられることはあまりないようである。
 マレー、モーガン 1935 「空想研究法」
RT:カードを提示してから、語り出すまでの時間
TT:カードを提示してから、語り終わるまでの時間

分析の手順
①主人公の決定
②欲求・圧力・内的状態の下に下線を引く
③欲求と圧力の種類、対象(源泉)、水準を決定する
④内的状態があれば、種類を判定する
⑤解決行動様式・結末を判定する。
 
1.主人公
主人公が曖昧な場合は、次の基準に従う
・語り手がそれから物静を開始した場合
・物語の全体を通じて語り手の注意の中心となっている人物
・重要な行動の主役的位置にある人物
・他の人物がみなその人にその人に働きかけているところの人物
・年齢、性別などが語り手に最も近い、人物(最後の手段)
 
2.欲求(主人公の意志・行動・願望)
① 対象(何に向けた要求か(不明もあり))
② 水準
 現実:もう現実として行っている。
 前行動:やろうとしてはいるが、まだ行っていない。
 空想:夢や空想の世界で行動しようとしている
 
種類
1       成就            いろいろな困難を克服して何か重要なことを遂行し、高い水準に到達しようという欲求であり、行動である。困難な事態を打開すること、高い技能を身につけること、 競争に勝ち、名誉や名声を得て成功すること、あるいは学問・文芸の創造的活動を成し遂げることが含まれる。
2       社会的獲得 金銭・財産・資産のために働くこと、何か価値ある物品を得ようとすること、商売をすること、ものを欲しがり、ねだることなどが含まれる。
3       反社会的獲得               盗み・詐欺・偽造などが含まれる。
4       確保            物を握って離すまいという欲求である。他人に貸すまいとし、秘密にして人の目から隠し、取られぬよう用心し、積極的には何でも貯めておこうとすることなどが含まれる。
5       飲食            飲食物を求めること、味わおうとすること、飲食物のために働くこと、おなかが空いたとれのどが渇いたという体験も含まれる。
6       官能            音楽・美術・文学など美的快感への欲求であり、芸術や文学を楽しむことも含まれる。
7       理知            知識・知恵を求める努力、知識欲からの勉強、読書、思考、反省、研究がこれに含まれる。
8       認知            知りたがること、見たがること、注目すること、根掘り葉掘りたずね、探偵のように行動することなどが含まれる。
9       構成            順序だてて、組織化し、組み立てていく欲求と行動である。
10     秩序            物事をきちんとしようとする欲求である。整理、整頓、清掃から、規則正しく整然とさせること、掃除すること、家具を整頓し、金銭出納をきちんとさせ、草を刈り、道を清掃することなども含まれる。
11     変化            変化・旅行・冒険の欲求である。じっとして単調な生活をしようとせず、常に変化を求め、動き回り、新しい見聞を求め、異国を夢見、旅をし、また探検や冒険を願望する欲求である。
12     遊び            遊戯・ダンス・ゲーム・スポーツなど、一般にあらゆる形の遊びの欲求である。
13     興奮と放蕩  競馬・競輪・賭博・火遊び・向こう見ずな冒険・異性とのぼうけんなどがこれに含まれる。
14     無活動         休息、睡眠、静かにのんびりとすること、横たわること、何もしないでいること、無関心・無活動になることなどがこれに含まれる。
15     失敗挽回     失敗、不名誉、傷つけられた自尊心を挽回しようとする欲求である。
16     親和            友情・同情などの意味であり、他人と結び付けられようとする欲求である。友情を示す友誼的親和、社交性を示す社会的親和、家族愛を示す家族的親和、性的に親しくなろうとする性的親和などがこれに含まれる。
17                    性的親和よりもっと明白な性的関係の欲求である。肉体的性行為に関する記述は全てこれに含まれる。
18     養育            助けを求めている人を助け、慰め、またその欲求を満たしてやろうとする欲求と行動である。
19     救助          他人を助ける「養育」の欲求と反対であり、他人に助けてもらいたい、同情してもらいたい、後押ししてもらいたい、世話してもらいたい。保護してもらいたい欲求である。
20     自己顕示     人に認めてもらおうとすること、褒めてもらおうとすること、他人に高く評価してもらおうとする欲求と行動である。
21     伝達            教えること、報道すること、ニュースを提供すること、説明すること、解説すること、講義することなどが含まれる。
22     支配            他人に力を及ぼし、命令指図し、取り締まり、監督し、指導し、強制し、拘束し、説得し、自分の意のままに動かすことなどをいう。高圧的・倣慢な態度などもこれに含まれる。
23     拒否            他人を拒絶し、背を向ける、他人の欲求を退ける。他に対して無関心な態度をとる。シカトするなどの欲求と行動である。
24     攻撃            他人に怒りを向け、憎み、争い、悪口を言うこと、叱る、戦うこと、犯罪としての暴行を加えること、殺害すること、破壊することなどがこれに含まれる。
25     自主独立     自由を獲得すること、強制と拘束を排除すること、有形無形の束縛から脱出すること、権威への反抗、社会の慣習・ルールの否定と無配などがこれに含まれる。
26     防衛            攻撃・批評・非難に対して自己を防衛すること、非行・失敗・屈辱を隠し、正当化すること、言われると怒る、弁解したり口実を用意することなどがこれに含まれる。
27     批難回避     他人からの非難とくに社会的な非難(評価)を受けまいとして、当たり障りのないように行動することなどが含まれる。
28     恐怖回避     恐怖、苦痛、疾患、不慮の災害、死などを回避しようとする欲求である。
29     屈辱回避     屈辱をうける可能性のあることを回避すること、他人の軽蔑、あざけり、敗北を回避することである。拒絶を恐れて求婚を回避し、落第の屈辱を恐れて受験を回避することなどが含まれる。
30     隠遁            理由が明確でなく、ただ世の中の事柄を避けて、孤独な生活を送ることを示す。
31     敬服            優れたものを褒め称え、尊敬し、それに従うことを示す。優れた仲間1人の意思に従い、指令を受け、その意のままに行動することや、自分の尊敬の気持ちを行動化することなどが含まれる。
32     屈従          外的圧力に服従する、運命を受け入れる、自己の失敗や劣った点、自分に加えられる非難や軽蔑を、無抵抗に、あきらめて、認め、受け入れることを示す。

3.圧力(主人公が外界から受ける作用全般、災害や死などの環境圧力、死や挫折、疾患などの内的圧力もこれに含まれる。)
① 源泉(何から向けられている圧力か)
② 水準
 現実:もう現実として行っている。
 前行動:やろうとしてはいるが、まだ行っていない。
 空想:夢や空想の世界で行動しようとしている
 
種類
1    獲得  主人公の物が誰かに奪われる。
2    確保  主人公の欲しいものを誰かが押さえている。手放さない、貸してやらない、見せてやらないなど。
3    親和  主人公が誰かから親しまれ愛される。
4    養育  主人公が誰かに養われ、力づけられ、保護され、世話される。
5         主人公が明白な性行為の形で愛される。
6    扶助  不幸な人がいて主人公の助け、同情、保護を求めている。
7    伝達  誰かが主人公に向かって話し、説明し、解説し、教える。
8    模範  個人・集団が主人公に対してよい影響を与えたり、主人公のモデルとなる。また、主人公が彼の仲間のために悪い方向に導かれる。
9    認知  誰かが主人公の好奇心を抱き、主人公のやることを注意し、詮索し、探り出そうとしている。        
10 敬服  主人公がその才能を尊敬され、賞賛される。   
11 褒章  主人公に才能や業績がない場合でも、主人公が誰かから褒美や心づけをもらう。
12 強制  誰かが主人公にある行為を強制して行わせる。              
13 抑制  誰かが主人公のある行為を禁止し、抑制する。               
14 拒否  誰かが主人公を拒絶する、軽蔑する。主人公に背中を向ける、主人公のもとから立ち去る。主人公と交流を断つ、見捨てる。   
15 攻撃  誰かが主人公に怒り・憎しみを向ける。暴力をふるう。     
16 災害  主人公の周りで、地震・暴風雨・火事・交通事故など不慮の事故が生ずる。
17 運命  主人公の現在の不幸や幸福が何に起因しているのか明白でない場合を示す。「運が悪くて」「運がよくて」などという表現で表される。   
18 不幸  主人公の疾患や欠乏や不幸を示すのではなく、主人公の環境におこった不幸を示す。すなわち、近親者の不幸、家の不幸、友人の不幸、愛人の不幸などである。
19 欠乏  これは貧困のみならず、主人公の欲求対象の喪失も含まれる。すなわち、食べたくても食物がないという場合である。              
20 死      主人公が死ぬ。  
21 疾患  主人公が病気にかかる。怪我をする。              
22 挫折  主人公の欲求が何者かに阻害される。フラストレーションに陥る。失敗もこれに含まれる。           
23 罪      違法行為や罪を自覚する。              
24 身体的不全    肉体的強さの欠乏、体格の劣っていること、肉体的作業能力の不足などを示す。          
25 心的不全       IQなどの精神能力、学業不振、その他の諸能力の不全などを示す。

4.内的状態(主人公の感情や態度)もあればチェックする。
A快感情群
①.楽しさ、嬉しさ、おかしさ、おもしろさ、幸福感、はればれした気分、浮き浮きした気分、満足感など
②.愛情、親しさ、同情、哀れみ、などの表現
B.不快感情群
①.不快感、嫌悪、憎悪、怒り、恨み、などの表現
②.悲しさ、寂しさ、憂うつなどの表現 
③.不安、焦燥、心配、恐れ、などの表現 
④.退屈、嫌気、倦怠などの表現 
⑤.驚き、差恥、不調和感、などの表現 
⑥.躊躇、困惑、疑問、動揺などの不安定感の表現
C.評価に関する感情群
①.美しさ、汚さ、などの表現 
②.感激、感動、共鳴、崇拝、憧れ、などの表現
③.自信、自負心、劣等感、罪悪感、自責感、自己嫌悪、後悔、などの自己価値感情の表現
D.身体感
①.頭痛、腹痛などの苦痛感、疲労感、虚脱感、眠気、空腹、渇き、戦慄、などの表現
②.緊張感、健康感などの表現
 
5.欲求と圧力がせめぎあっている場合、解決行動様式(主人公が圧力と欲求の葛藤をどのように解決していくかを示す概念を以下の6カテゴリの中から合うものを選択する。
・現実的
・非現実的
・肯定的
・否定的
・能動的
・受動的
 
6.物語の結末を以下の7カテゴリの中から選択する。
・成功
・幸福
・失敗
・不幸
・不定(わからない)
2次的結末(メインの欲求は充足されないが、別の欲求は充足される)
・非現実的結末
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